ホルスタイン種牛の肝臓および腎臓のマンガン濃度に及ぼす給与飼料の影響

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ルスタイン種牛の体内におけるマンガンの蓄積量に及ぼす給与飼料の影響ならびにホルスタイン種牛における飼料に添加したマンガンの蓄積,分布および排泄について検討した.1. 九州農業試験場および熊本県内の農家で飼養されていた37頭のホルスタイン種牛の種々の生体試料のマンガン濃度を調べた.初生子牛の肝臓および腎臓のマンガン濃度は,それぞれ3.83〜5.48および1.42〜2.04ppmであったが,成牛ではそれぞれ8.28〜15.07および3.00〜5.96ppmと初生子牛のそれよりも高い値を示した.摂取飼料のうち,粗飼料のマンガン濃度は配合飼料および製造粕類のそれよりも高い値を示した.また肝臓,腎臓および血液のマンガン濃度は,摂取飼料中のマンガン濃度に影響されなかった.このことから,必要量のマンガンを給与されている牛の組織のマンガン濃度は,生体の恒常性維持機能によって一定の範囲内に保たれることが推察される.2. ホルスタイン種泌乳牛2頭を用い,1日当たりマンガン10gを硫酸マンガンとして4週間にわたって経口投与した.マンガン投与期の牛乳,血液および被毛のマンガン濃度は約2〜5倍に増加するが,その増加の程度はふんのそれよりも小さかった.また投与直後にと殺した牛では,胃,肝臓,皮膚,膵臓および脾臓のマンガン濃度が高い値を示した.
社団法人日本畜産学会の論文

ホルスタイン種牛の肝臓および腎臓のマンガン濃度に及ぼす給与飼料の影響

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