ゴールデンハムスターの前胃と前胃上皮の生後発育

概要

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反すう家畜のパイロット動物として注日されるゴールデンハムスターの前胃と前胃上皮の生後発育を,反すう家畜のそれと比較する目的で,生時より8週齢までの各週齢で解剖•組織学的に観察した.前胃生重量は生後7週までほぼ直線的(Y=0.044827X+0.004011,r=0.9415,Y:前胃生重量(g),X:週齢)に増加後鈍化した.生後8週間を通じて前胃生重量は後胃生重量の約半分であった.後胃生重量も生後7週齢までほぼ直線的(Y=0.082242X+0.33233,r=4.9601,Y:後胃生重量,X:週齢):に増加後鈍化した.前胃と後胃の成長はともに全身の成長より先行した.前胃生重量/体重は3週齢,後胃生重量/体重は2週齢で最大でのち漸減した.前胃上皮組織は生時に胚芽層,顆粒層,角質層が各々2,4,4層程度のものが,生後2週間で約3,9,17層となってほぼ完成し,離乳の前後にきわだった変化はない.前胃上皮の分裂指数は生時で3%,1週齢で3.9%と高いが,2週齢以降約2%と低くなった.ゴールデンハムスター前胃の生後発育は解剖•組織学的にみで,反すう家畜前胃のそれと大きく異っている.
社団法人日本畜産学会の論文