魚類ブランド化機器開発試験(平成19年度)
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概要
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ヤシオマスでは水揚げ後の処理方法の違い(苦悶死、鰓抜きのみ等)が鮮度に大きな影響を及ぼしており、生産者による出荷魚の品質のばらつきにつながっている。現在日本各地に存在するブランド魚では活けしめ脱血という水揚げ後の処理が行われている。活けしめ脱血とは、水揚げした魚を暴れさせることなく延髄を切断し即殺した後、鰓動脈もしくは尾柄部の尾部大静脈を切断して血を抜くことである。活けしめ脱血を行うと活きの状態と呼ばれる死後硬直前の時間を大幅に延ばすことが可能となり、高鮮度な状態を維持したまま出荷することができる。活きの状態の魚は活魚と同等に高値で取引されている。平成18年度に実施した横断的共同研究の結果、ヤシオマスも活けしめ脱血を行うと長時間活きの状態を保てることがわかった。正確に延髄を切断するためには魚体を固定する必要がある。しかし、激しく暴れる大型のヤシオマスを素手で押さえ込むことは困難である。また、処理前に暴れさせてしまうことで活けしめ脱血の効果が低下することも知られており、本種の活けしめ脱血処理の普及を難しくしている。現在市販されている活けしめ脱血装置は、大型で高価であり零細な養殖業者が導入するには困難な状況にある。このため、安価でかつ小型の活けしめ脱血装置の開発が強く望まれている。そこで、ヤシオマスの沈静化により活けしめ脱血処理作業の正確かつ簡便化を図るために、電気ショックを用いた気絶装置の開発を試みた。
著者
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