近年の九州における水稲の作柄・品質低下の実態・要因の解析と今後の対応

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
九州では近年、水稲の作柄・品質が低迷しており、各県および、九州沖縄農業研究センター（以下、九州沖縄農研と記す）で被害実態と要因の解析が行われてきた。その結果、登熟期の高温、日照不足、台風などの気象条件や病害虫の多発による登熟不良が要因として挙げられた。特に高温条件の多発には温暖化が影響していることが強く示唆され、その頻度は今後さらに増加することが懸念されるため、高温に対応した水稲栽培技術の早期確立が望まれる。そこで、九州各県および九州沖縄農研でこれまで得られた複数年次の試験結果・情報を整理し、九州における作柄・品質低下の実態・要因を総括するとともに、現時点までに明らかになってきた対策技術を提示し、今後の研究・技術開発に向けた足がかりを得るために報告することとした。水稲の高温登熟障害は今や九州・沖縄に留まらず、西日本を中心とした全国的な問題となっている。本報告が、九州・沖縄のみならず他地域を含めた高温登熟障害の解決に向けて広く活用されれば幸甚である。

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク