ウシ卵胞卵子の品質に影響する季節的要因
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概要
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継続後誌:近畿大学先端技術総合研究所紀要 = Memoirs of Institute of Advanced Technology, Kinki Universityウシ未成熟卵胞卵子の性状が年間を通じてどのように変化するのかを、屠場で採集した卵巣より回収した、ウシ卵胞卵子を、体外成熟・体外受精し、さらに授精後48時間目に3細胞期胚以上へ発育したものを結紮したウサギ卵管へ移植し、5日後に回収して、胚盤胞期胚への発育を検討した。また実験は2年間にわたり、各月ごとに2回行い、結果を集計した。卵子の成熟率は各月において差は無かった。受精率は各月間において変動が大きく、明かな傾向は認められなかったが、10月から1月にかけては、58~69%と低下するのが観察され、また、2月から5月にかけては87~91%と回復するのが見られた。授精後48時間での卵割率は、10月から2月にかけては22~36%と低い値を示し、3月から9月にかけては42~51%にまで回復した。ウサギ卵管から回収された胚の胚盤胞期胚への発育率は全体に低い(0~14%)ため、差異を検討することはできなかったが、5月から8月にかけては高い(8~14%)傾向が見られた。 (英文) The seasonal change of the quality of bovine follicular oocytes was examined. Oocytes were collected from slaughterhouse ovaries, matured, fertilized in vitro and cultured in ligated rabbit oviducts for 5 days. These experiments were performed twice per month and monthly for two years. The maturation rates of bovine follicular oocytes did not differ with the month. The rate of fertilization was low in October to January (58-69%) and was high in February to May (87-91%). The cleavage rates at 48 hours after insemination was low in October to February (22-36%) and was high in March to September (42-51%). The rate of embryonic development to blastocyst in rabbit ligated oviducts was high in May to August ( 8 -14%). These findings suggested that the developmental ability of bovine follicular oocytes matured and fertilized in vitro changed seasonally and the developmental ability to blastocyst in the rabbit oviducts was high in summer.
- 近畿大学生物理工学研究所,キンキ ダイガク セイブツ リコウガク ケンキュウジョ,Kinki Daigaku seibutsurikogaku Kenkyushoの論文
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