経精巣遺伝子導入法により得られたトランスジェニックマウスの解析
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概要
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継続後誌:近畿大学先端技術総合研究所紀要 = Memoirs of Institute of Advanced Technology, Kinki University微小ガラス針を使って受精卵前核に遺伝子溶液を注入する顕微注入法に代わる簡便なトランスジェニックマウスの作製方法を検討するために、外来遺伝子を雄マウスの精巣に直接注入して雌マウスと交配させることによって、トランスジェニックマウスを作製することを検討した。DNA/リポソーム複合体を4匹の雄マウスの精巣に直接注入したのち静置させ、1週間後に雌マウスと交配させたところ、計38匹の産子を獲得した。離乳後各マウスの尾部組織より抽出したゲノムDNAを使ったサザンプロット解析の結果、5匹のマウスに導入遺伝子の組込みが認められた。そのうち、次世代へ導入遺伝子の伝達が認められたトランスジェニックマウスは、2匹であった。また、トランスジェニックマウスのゲノムDNAから導入遺伝子と考えられる遺伝子断片の一部を増幅し、ダイレクトシークエンスでその塩基配列を決定したところ、導入遺伝子がマウス染色体へ組込まれていることが確認された。以上の結果より、経精巣遺伝子導入法によるトランスジェニックマウスの作製の可能性が示唆された。しかし、精巣に導入されたDNAと精子の結合様式、また卵子と受精後の染色体への組込み機序については未だ不明な点が多く、今後さらに検討が必要と考えられた。 (英文) DNA transfer mediated by sperm has the potential to simplify the production of transgenic animals, but the possibility in mice has been controversial. On the other hand, the ability of animal spermatozoa to capture foreign DNA has been suggested. In this study, we investigated the feasibility to produce transgenic mice by direct injection of foreign DNA in mouse testis. DNA/liposome complex was injected through a needle into testes bilateral testis of four mature mice. After all males were mated with female mice, 38 pups were delivered. In Southern blot analysis and direct sequencing, the foreign DNA was shown to be integrated in host genome of five mice (13%). However, only two trangenic mice exhibited the transmission of transgene to next generation. Thus, direct introduction of exogenous DNA/liposome complex into the testis will provide a simple methodin generation of transgenic mice, and further investigations are also necessary to determine molecular mechanisms based on the uptake of foreign DNA by sperm.
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