ウサギ・インター -α- トリプシンインヒビター重鎖2および3前駆体をコードするcDNAのクローン化と塩基配列の決定
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概要
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ウサギ肝臓から、インター -α- トリプシンインヒビター(ITI)重鎖2および3前駆体(HC2, HC3)をコードするcDNAを、RT-PCR (reverse-transcription polymerase chain reaction) 法およびRACE (rapid amplifyication of cDNA end) 法を用いて単離し、その塩基配列を決定した。単離したcDNAはそれぞれ947、904残基のアミノ酸翻訳領域を含む 3,122、2,823塩基対であった。HC2のアミノ酸配列をヒト、マウスおよびハムスターのHC2のそれと比較したところ 85、84, 83%の同一性をもっていた。同じような結果はHC3でも得られた。すでに報告したウサギHC1でも同様であった。しかし、同種の鎖間すなわちHC1とHC2、HC1とHC3、HC2とHC3では、40、52, 40%と低い同一性を示した。このことは、重鎖それぞれが独自に進化し、それぞれ独自の機能を持っていることを示唆している。 (英文)Complementary DNA encoding precursors of the two heavy chains (HC2, HC3) of the inter -α- trypsin inhibitor was amplified from rabbit liver total RNA by reverse-transcription polymerase chain reaction (RT-PCR) and rapid amplification of cDNA end (RACE), cloned and sequenced. The cDNAs spanned astretch of 3,122 and 2,823 nucleotides with open reading frame coding for 947 and 904 amino acid residues respectively. The deduced amino acid sequence of the HC2 precursor was 85,84, and 83% identical with those of the HC2 precursors from man, mouse, and hamster, respectively. The HC3 and HC1, described previously, precursors showed similar degrees of sequence identity with the corresponding human, mouse, and hamster HC precursors. When the intra-species HCs precursors were compared with each other, HC1 to HC2, HC1 to HC3, and HC2 to HC3, however, the deduced amino acid sequence showed only 40, 52, and 40% sequence identity, respectively. These results suggest that HC genes have been evolving independently of each other under purifying selection and each HC subfamily may have unique fuction(s).
- 近畿大学先端技術総合研究所,キンキ ダイガク センタンギジュツ ソウゴウ ケンキュウショ,Kinki daigaku sentangijutsu sogo kenkyushoの論文
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