<原著>音韻障害を併せ持つ吃音児の指導過程 : U仮説に基づいて
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概要
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本研究においては、吃音児1名(B児)に対して、U仮説に基づいた吃音指導を実施した。本研究では、対象児が情緒的な安定さに欠き、また、音韻過程の中に非典型なパターンが見られなかったことから、吃音に焦点をあてた指導を行った。指導をしては、対人過敏性の軽減や発話意欲の向上などをねらったプレイセラピー、母親ガイダンス(I期)と、協調運動課題(II期)を実施した。その結果、(a)吃症状については、指導終了時には軽快化している様子が認められた、(b)音韻障害については、特に指導を加えなくても顕著な改善をみた、(c)指導終了時においても、悪化条件と維持条件の双方に関与している全体的な発達上の問題が認められた。以上のことから、今回行った指導がB児の吃音の改善に寄与したと考えられたが、依然としてB児が全体的な発達上の問題を有していることから、今後も、これらの問題の改善をねらった指導を継続して行う必要性があると考察された。
- 筑波大学心身障害学系の論文
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