<原著>聴覚障害者が手話通訳技術に対して抱いている期待の内容に関する研究
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概要
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本稿では、手話通訳の評価と効率的な養成に寄与するため、インタビュー調査および質問紙調査によって、聴覚障害者が手話通訳の技術に対して抱いている期待の内容を明らかにした。この結果、全体的には見ていて疲れず、安心感を与えてくれる通訳で、起点談話に対して忠実な訳出が求められていた。また対象者の属性による違いとして、①通訳を頻繁に用いている者ほど、手話の間違いや癖のない、見ていて疲れない通訳を好む傾向にあること、②日本手話を日常的なコミュニケーション手段として用いている聴覚障害者は、通訳場面においても日本手話的要素に期待を示していること、③聾学校出身者は日本手話による通訳を求める傾向が強く、インテグレーション出身者は、手話の訂正や間違いといった無駄な動きを減らした、はっきりと見やすい手話を求める傾向にあること、④一般大学で学んだ経験のある対象者は、起点談話の内容やその場の雰囲気を忠実に伝える通訳を望んでいることなどの特徴が明らかにされた。
- 筑波大学心身障害学系の論文
著者
-
斎藤 佐和
Department Of Speech Language And Hearing Therapy Faculty Of Health Sciences Mejiro University
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