〈資料〉 アルコール依存症患者の飲酒運転に対する意識 : 自助グループメンバーを中心とした遡及的研究
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概要
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飲酒運転常習者としてのアルコール依存症患者の運転意識を検討するために、アルコール依存症患者110名を対象に、過去の飲酒運転に関する調査を実施した。調査内容は、年齢、断酒歴、運転頻度、飲酒運転の経験、事故・検挙の回数、主観的運転態度、罪悪感、危険意識等であった。この結果、対象者の殆どが飲酒運転の経験者であり、うち6割が何らかの事故を起こしていることが明らかとなった。また、半数近くの者は飲酒運転に危険意識や罪悪感を感じていなかった。飲酒運転の抑止につながると思われる、この罪悪感や危険意識と個人的要因との関係を調べるために、数量化2類による分析を行った結果、罪悪感は事故の頻度が影響を及ぼしていることが分かったが、高頻度に事故を起こしている者は罪悪感を感じてはいなかった。危険意識に関しては運転歴が強く関係しており、運転歴が長いものほど、飲酒運転に危険意識を持っていた。また事故頻度は、危険意識にも比較的強く影響を与えており、飲酒運転常習者が事故を起こしたときの対応が重要であることが明らかとなった。現在、わが国では飲酒運転常習者に対しては法的な措置がとられているのみであるが、本人の治療と、飲酒運転事故の抑止のためにも医療的監察の必要性が示唆された。
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