<ケース研究>選択性緘黙を呈する6歳女児の治療過程
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概要
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言葉を発しない状態を示す「緘黙」とは,一般に心因性のものを指し,大きく2つに分類できる。すなわち,状況に拘らず全く発話しない「全緘黙」と,特定の状況や人物に対してのみ発話しない「選択性緘黙」である。本稿では,選択性緘黙主訴として来談した女児に関する事例を検討する。選択性緘黙の好発年齢は4~6歳と考えられており(相馬,1991),本事例の女児の年齢もそれに該当している。発祥の原因としては,家庭内の力動関係(大井・鈴木・玉木・森・吉田・山本・味岡・川口,1979),コミュニケーションスキルの発達(服部・森本・白井・黒田,1998)などが考えられるため,発達遅滞や言語遅滞が緘黙の発症に先行していない場合は,その治療において緘黙児の家族関係とコミュニケーションスキルの両面を視野に入れる必要がある。そこで本稿では緘黙児の家族関係の変化を考慮しながら,対人緊張を和らげ自発的なコミュニケーションを促進するために遊戯両方を用いた治療過程を報告する。
- 筑波大学発達臨床心理相談室の論文
- 2002-12-12
著者
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