基礎看護学実習I, IIにおける看護技術の経験状況と課題
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概要
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背景 看護をめぐる環境は, 急速な少子高齢化の進展, 医療の高度化等により, 大きく変化している. 看護職は, より患者の視点に立った質の高い看護の提供が要求されている. 看護系大学教育においても, 根拠の伴った安全・安楽, 個別性のある看護実践能力の育成が求められている. しかし, 医療の高度化, 入院患者の高齢化等により臨地実習における実習内容が制限される傾向が生じ, 卒業時の看護実践能力の到達度が課題になっている.目的 基礎看護学実習I, IIについて, 看護技術の経験状況を調査・分析し, 看護技術項目の選定について課題を明らかにする.方法 対象は本研究に同意し, 実施状況表を記載した学生40名とした. 各援助技術項目について, 実習別に 「見学」 「一部援助」 「実施」 の3段階に分けて, 単純集計して得た値をパーセンテージで表し比較した.結果および考察 50%以上の学生が経験した援助技術項目は, 基礎看護学実習Iにおいて11項目, IIにおいて23項目であった. 予測していたよりも学生が経験した援助技術項目の割合が少なかった. 今回の結果を参考にして, 基礎看護学実習I, IIにおける援助技術項目の選定を検討することが必要である. 結論 学生が最も経験できた援助技術項目は, 基礎看護学実習Iでは, 【環境調整技術】の<療養生活環境調整>であり, IIでは, 【環境調整技術】の<ベッドメーキング>と【症状・生体機能管理】の<正しい技術による体温, 脈拍, 呼吸, 血圧測定>であった. また, すべての学生が未経験の項目は, 13項目あり到達度の高い項目であった. 学生が援助技術の到達度を確認することができるために, 援助技術項目の選定を検討する必要性が示唆された.
著者
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上野 範子
聖泉大学看護学部
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今井 恵
聖泉大学看護学部
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井上 美代江
聖泉大学看護学部
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松永 早苗
聖泉大学看護学部
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辻 俊子
聖泉大学看護学部
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森下 妙子
聖泉大学看護学部
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井下 照代
聖泉大学看護学部
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