介護老人福祉施設に入居する要介護高齢者に対する看護学生の援助過程における着眼点
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概要
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背景 看護基礎教育カリキュラムの改正が行われ,老年看護学では,学生が高齢者及びその生活機能を理解し,高齢者への看護実践能力を高める指導が求められている.そこで,学生が高齢者と関わる時間や生活援助の機会が多いと思われる生活の場としての「介護老人福祉施設」で,学生が高齢者と関わる過程を分析することで,実習指導の示唆を得たいと考えた.目的 介護老人福祉施設における老年看護学実習で,学生の要介護高齢者への援助過程における着眼点を明らかにする.方法 研究デザインは,質的帰納的研究である.対象は,研究に同意の得られた介護老人福祉施設で老年看護学実習を行った学生6(男子1)名である.データ収集は,高齢者に関わる学生を参加観察(観察者として)し,実習終了後に半構成質問紙による面接を行った.分析は,参加観察と面接および学生の実習記録を統合して行った.結果 得られたデータは,学生6名が高齢者8名に関わった38場面であった.実習経過では,初日の学生は,高齢者との関わりに戸惑い,その関わりを模索していた.3日目は,記録や教職員の助言等を参考に,高齢者の看護ニードを把握し援助した.最終日は,学生が主体的に高齢者の自立を支援した.これらの援助過程には,学生が高齢者への援助の関わりに着眼した視点があり,その類型を分類したところ,1)高齢者の残存機能に働きかける,2)高齢者との人間関係を重視する,3)高齢者の生活行動を重視する,4)高齢者の健康的な反応を引き出す,5)高齢者の感情を重視する,の5類型が抽出された.結論 学生が高齢者を援助する着眼点は,5類型が認められた.指導者は,抽出された学生の高齢者への援助の類型を活用して,教育的支援を行うことが重要と考える.
- 2013-04-00
著者
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