中心静脈カテーテル関連の血流感染防止への取り組み
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概要
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背景/目的 A病院では, 中心静脈カテーテルに関連した血流感染 (Catheter Associated Blood Stream Infection:以下CA-BSIと略す) を防止するため, 既存のガイドラインからA病院にできる感染対策を導入し, CA-BSIサーベイランスで評価を行った. その結果と今後の課題を報告する. 方法 2006年8月〜2009年8月まで継続したCA-BSIデータを前向き能動的 (感染管理認定看護師が情報を収集) に情報を収集した. CA-BSI判定は, NNISの基準にA病院の現状を追加した. 分析 CA-BSI予防策導入前後のデータをχ 2 乗値と感染率の減少率で分析した. 導入したCA-BSI防止策 2007年9月閉鎖式輸液セットを, 2008年9月マキシマル・バリア・プリコーションを導入し, 感染防止マニュアル, 看護手順の改定と導入に伴う教育を行った. 結果及び考察 閉鎖式輸液システム導入前後のCA-BSIサーベイランス結果は, χ 2値1.83, p値0.176で統計学的な有意差はなかった. しかし, CA-BSIの減少率は48.7%であり, 閉鎖式輸液システム導入は, CA-BSI減少に影響を与えた. 次に, マキシマル・バリア・プリコーション導入前後の結果は, χ 2 値5.19, p値0.023で統計学的な有意差があった. さらに, CA-BSIの減少率は87.2%と高値であり, CA-BSI予防に効果的であった. 結論と課題 導入したCA-BSI予防策は, A病院でのCA-BSIを低減させた. また, データで結果を示せることは, 次の改善策を提言できる材料となる. 更なるCA-BSI予防策として, 継続したサーベイランスの実施と定期的に新たな感染対策を実施するべきか検討する必要がある.
- 2012-04-00
著者
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