ロールシャッハ・テスト技法の使用実態と臨床感について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は、わが国の臨床場面において使用されているロールシャッハ技法の実態とそれに対する臨床家の意識について調査し、ロールシャッハ・テスト教育の今後の方向性を探ることである。ロールシャッハ・テスト関連の2 つの学会名簿から無作為抽出した588 名を対象にアンケート調査を実施した結果、最初は片口法で学んだ者が最も多いものの(60%)、現在は包括システムで実施している者が最も多かった(59%)。また、使用技法を変更した者が51%にみられ、そのほとんどが片口法から包括システムへの変更であった。その理由としては、エビデンスの存在、分析・解釈の容易さなどが挙げられた。一方、解釈には形式分析のみでなく、内容分析や継列分析を盛り込むとした回答が多く、わが国の臨床家が統合的な解釈を実践していることが示唆された。ロールシャッハ・テストに対する課題としては、「スコアリングの難しさ」「研修の機会」「職場の理解」「技法の違いをめぐる対立」「大学院教育の充実」などが挙げられ、今後のロールシャッハ・テスト教育のあり方を検討する必要性が考えられる。
著者
関連論文
- 大学生の自己理解を目的としたグループワークの開発
- 「スタートレック」の臨床心理学的解釈の試み
- 心理療法における失敗要因とその防止策について
- 超常現象知識尺度(PKS-40)の開発
- II-B-25 児童・思春期のうつ病に関する研究 : 身体症状を前景に呈した症例について(小児・思春期V)
- 12.子どものヒステリー(第19回日本心身医学会中部地方会演題抄録)
- 子どものメンタルヘルスに関する国際比較研究 : 日本とフィンランドとの比較から
- 育児の困難な母親への援助の試み
- I-F-21 さまざまな身体症状が前駆した児童期の精神分裂病(小児・思春期)
- I-F-18 小児心身症と登校拒否における追跡調査の比較検討(小児・思春期)
- 子どもの描画療法における歴史と将来の展望--日米の文献的考察をふまえて
- スクィグルの治療的意義に関する1考察--言語発達の視点を中心に
- 学校におけるメンタルヘルス支援に関する研究 : 質問紙調査を用いた介入について
- PG089 学校におけるメンタルヘルス支援に関する研究(2) : スクールカウンセラーによる質問紙調査の活用について
- PG088 学校におけるメンタルヘルス支援に関する研究(1) : 質問紙調査を用いた介入について
- セラピスト・クライエント並行箱庭療法の意義と可能性
- 児童精神科臨床から見た現代の子どもと子育て
- 箱庭療法における箱の大きさに関する臨床的研究--特に小型の箱を用いて
- 入院治療を行った選択性緘黙児の長期予後について
- バウムテストの投影性に関する研究--キャンプと季節の要因を通して考える
- 心理アセスメント技法としての箱庭の可能性
- 学校教育における心理教育の歴史--日本と米国の比較から (子育てを支える心理教育とは何か--誕生から青年期まで) -- (海外における子育てを支える心理教育と支援)
- 通常学級において個別的支援を行った発逹障害児の事例 : 自己意識の変化と支援のあり方の検討
- 子どものロールシャッハ法における父親・母親イメージ図版の検討
- 学校教育におけるグループワークの方法と課題
- 女子青年の性同一性に関する研究(昭和58年度教育心理学専攻修士学位論文概要)
- P7-61 小・中学校における「気になる子ども」のQOL(測定・評価,臨床,障害,ポスター発表)
- フィンランドにおける児童福祉施設の実際
- ロールシャッハ・テスト技法の使用実態と臨床感について
- PD-078 心の減災教育プログラムの効果測定に関する研究(4) : 自由記述から(学校心理学,ポスター発表)
- PD-077 心の減災教育プログラムの効果測定に関する研究(3) : プログラム施行後および3か月後の効果(学校心理学,ポスター発表)
- PD-075 心の減災教育プログラムの効果測定に関する研究(1) : 事前・事後,フォローアップアンケートから(学校心理学,ポスター発表)
- PG-017 特別支援学級児童の主観的well-beingに関する研究 : 教師・友人関係で生起する感情の観察を通して(特別支援,ポスター発表)
- PD-076 心の減災教育プログラムの効果測定に関する研究(2) : 共分散構造分析の結果から(学校心理学,ポスター発表)