「スタートレック」の臨床心理学的解釈の試み
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
スタートレックとは、22〜24世紀の宇宙を舞台にした冒険物語である。その魅力は、最新の宇宙論を取り入れたリアルな未来世界の構築に止まらず、登場人物が織り成す人間関係や精神哲学にあることはいうまでもない。一般に芸術作品には作者の個人的な心理が反映されると同時に、さまざまな形で現実社会が反映されることが少なくない。たとえば、スタートレックにおいて人類が出会うさまざまな異星人は我々人間の一面をデフォルメして表現されたものであり、人類と異星人との間に生じるさまざまな誤解や葛藤は、そのまま現代社会における国家間の対立や人種問題の反映と考えることができる。本論では、臨床心理学的視点からTNG第9話を心の構造、TNG第79話を児童虐待、TNG第111話をPTSDとして解釈した。映画「GENERATION」は対象喪失と喪の作業として解釈し、平行宇宙はユング心理学における「影」として解釈した。そして、ボーグは無意識、ボーグドローンから人間世界への再適応は精神疾患の治療プロセスとして解釈した。
著者
関連論文
- 大学生の自己理解を目的としたグループワークの開発
- 「スタートレック」の臨床心理学的解釈の試み
- 心理療法における失敗要因とその防止策について
- セラピスト・クライエント並行箱庭療法の意義と可能性
- 児童精神科臨床から見た現代の子どもと子育て
- 箱庭療法における箱の大きさに関する臨床的研究--特に小型の箱を用いて
- 入院治療を行った選択性緘黙児の長期予後について
- バウムテストの投影性に関する研究--キャンプと季節の要因を通して考える
- 心理アセスメント技法としての箱庭の可能性
- 学校教育におけるグループワークの方法と課題
- ロールシャッハ・テスト技法の使用実態と臨床感について