都市部への人口集中が住宅着工における木造率に与える影響 : 宮崎県を事例として
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概要
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将来の住宅着工数減少が予想される中,木材需要の今後を見通す上では住宅の木造率の推移がポイントの1つとなっている。宮本・藤掛(2012)では都道府県レベルのパネルデータ回帰分析から将来の木造率を予測したが,各県の木造率の推移は県内のより小さな地域レベルの人口動態に左右されることが考えられる。本研究は宮崎県を対象に宮崎市内とそれ以外に分けて既存住宅の木造率を調べるとともに,市内と市外別に将来の木造率を仮定した上で住宅着工数の将来予測を行うことで,全県の木造率の推移を検討した。既存住宅の木造率は市外では70%程度で安定していたが,市内では近年40%を切るまでに低下していた。この傾向が続くと仮定した上で住宅着工数の2030年までの将来予測を行うと,着工数の市内シェアが39%から45%へと上昇するとともに,全県の木造率は60%から53%へ下落するとの結果となり,地方県において都市部への人口集中が将来の木造率を下げる要因となりうることが示された。
- 2013-07-00
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