間伐遅れと実質立木価格 : 初回間伐までの経過時間の比例危険率モデルによる分析
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概要
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人工林における間伐遅れが我が国の森林管理における大きな問題となっている。本研究では,比例危険率モデルを用い,スギ人工林が補助間伐の対象となってから初回間伐が起こるまでの経過時間が従う確立分布と,実質立木価格がその確立分布に与える影響を推定することを目的とした。徳島県上那賀町水崎地区の1965年から1988年植栽の私有スギ人工林250haの1980年から1999年の20年間の間伐履歴を資料とした。分析の結果,次の2点が明らかになった。第一に,初回間伐が起こる確率は間伐対象となって7〜8年をピークにその後は低下しており,その結果,かなりの割合の林分が未間伐のまま残る状態であった。第二に,初回間伐の実施には,立木価格を林業労賃で除した実質立木価格が影響していた。20年の間に,実質立木価格の下落とともに間伐が著しく低調になってきていると考えられた。
- 2005-08-01
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