非ホジキンリンパ腫の治療後に急性巨核芽球性白血病として発症した治療関連急性骨髄性白血病
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は40歳男性。37歳時にanaplastic largecell lymphoma を発症し、拡張型心筋症の合併があることから放射線療法を行った。しかし照射中に表在リンパ節の増大を認めたため、M-COP 療法(cyclophosphamide, vincristine, mitoxantrone, prednisolone)に治療を変更し 8 コース施行した。化学療法終了後1ヶ月で再発し、ICE療法(carboplatin, ifosfamide, etoposide)を3コース施行後、Granulocyte colony-stimulating factor (G-CSF)単独投与で得た末梢血幹細胞採取に続き、MEAM 療法(ranimustine 480 mg, etoposide, cytarabine, melphalan)を前処置として自家末梢血幹細胞移植術を行った。その後寛解を保っていたが、2年後の外来受診時に血小板減少を指摘され、骨髄検査で中型のN/C比の高い、偽足を伴う芽球細胞の増加を認めた。細胞表面マーカーはCD13、CD33、CD7、CD36、CD41陽性で、急性巨核芽球性白血病(M7)と診断した。大量シタラビン療法を行い、完全寛解に至ったものの2コース目終了後に再発した。合併症のため同種造血幹細胞移植の適応はなく、緩和的治療を行いながら経過観察する方針となり、診断日より238日目に死亡した。治療関連骨髄性腫瘍として、M7の報告は非常に稀であるので報告する。
- 2013-03-31
著者
関連論文
- 23.超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)が診断に有用であったPrecursor T-lymphoblastic lymphoma/leukaemiaの1例(第131回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
- 血液疾患に併発した好中球減少性感染症に対するAztreonamとClindamycin併用療法におけるG-CSF併用効果
- 赤芽球癆診療の参照ガイド
- 好中球数減少状態の血液疾患患者の深在性真菌症に対するFluconazoleとG-CSF製剤併用投与による臨床的検討
- ABO血液型minor mismatchの同種末梢血幹細胞移植後早期に起った大量の容血
- 当科におけるPICC(末梢穿刺中心静脈カテーテル)の使用経験(一般演題,第329回東京女子医科大学学会例会,学会)
- 4.腹腔鏡下脾摘術を行った特発性血小板減少性紫斑病の検討(一般演題,第21回東京女子医科大学血栓止血研究会)
- 第VIII因子インヒビターによる凝固障害に対する遺伝子組換え第VIII因子製剤-CVP療法
- 口腔粘膜慢性GVHDに対する口腔内PUVA療法
- インターフェロンによる治療の実際・白血病 (特集 インターフェロンの臨床)