ドイツの老人介護士養成校の学生の介護意識について : 実態調査を通して
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概要
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本研究の目的は,ドイツで老人介護を目指す学生の介護意識を明らかにすることである.そこで,ドイツの9つの老人介護士養成校の学生を対象にアンケート調査が実施された.(1)基本属性では,調査対象者の年齢構成の割合が20歳から50歳までと幅広いことが示された.(2)介護職を希望する動機では,多くの学生はおもに「人の役に立つ仕事がしたい」という理由であった.だが,一方では,経済的動機によって,介護職を希望するものもいると指摘された.(3)介護に対するイメージでは,大部分の学生は介護が汚れる仕事であることを強く否定する傾向がみられた.(4)介護に対する社会の評価では,約92%の学生が,社会の人々が介護の仕事に高い評価を与えるべきであると回答していた.(5)介護のあり方については,「機能回復訓練」や「医療的ケア」などのリハビリテーションを重視する傾向がみられた.(6)他職種との比較については,介護の仕事は看護婦に従属するものではないという傾向がみられた.(7)海外の介護の情報については,多くの学生は,ドイツの高齢者福祉が外国の高齢者福祉の影響を受けていると感じていなかった.しかし,ドイツの高齢者福祉を進歩させるためには,外国の高齢者福祉がもっと紹介されるべきであると考えていた.以上の回答結果から,ドイツの老人介護士養成校の学生は,経済的不況の社会的情勢の影響を受けながら,老人介護の業務に対しても,他の職種や外国の福祉との関連のなかで,独自の専門性と福祉観を強く意識していることが示された.
- 日本介護福祉学会の論文
- 2000-10-01
著者
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