固定試験地のデータを用いた既存の林分収穫表の検討 : 紀州地方ヒノキ林林分収穫表の平均胸高直径について
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概要
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既存の収穫表が現実林分の成長実態に合っていないことはしばしば指摘されており,本研究で取り上げる紀州地方ヒノキ林林分収穫表も例外ではないと考えられる。その背景の一つとして,収穫表調製当時に高齢林分のデータが欠如していたことが挙げられる。本研究では高齢林分を含む固定試験地での定期継続調査データを用い,次の手順で既存の収穫表の検討を行った。(1)固定試験地における立木密度と平均胸高直径の推移を収穫表の平均管理曲線と比較し,固定試験地の密度管理水準を吟味した。(2)固定試験地の連年直径成長率を収穫表のそれと比較した。その結果固定試験地での成長は,(1)密度管理水準は,直径の増加に伴い高密度となる傾向が認められた,(2)固定試験地の連年直径成長率は60年生前後までは収穫表とほぼ同等の水準にあった。しかし,約60年生以上の林分では固定試験地の連年直径成長率が収穫表を上回り,収穫表を修正する必要性が示唆された。
- 応用森林学会の論文
- 2007-04-30
著者
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