歯エナメル質の脱灰を抑制しPorphyromonas gingivalisの生育を抑制するpHとカルシウム濃度の探索

概要

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本研究の目的は,歯エナメル質の脱灰を抑制しながら酸で歯周病原因菌の代謝活動を抑制して揮発性硫黄化合物(VSC)の産生を抑制することができるpHとカルシウムイオン(Ca^<2+>)濃度領域を探索することである.口臭の主要原因物質であるVSCは,歯周病原因菌や口臭産生菌の代謝活動によって生じる.そのため,口腔内を酸性にしてその代謝活動を抑制できる可能性はあるが,同時に歯エナメル質の脱灰が懸念される.そこで,歯エナメル質は酸性条件下でもCa^<2+>が存在していると脱灰を抑制することができることに注目した.本研究では, pH7.0-3.5におけるPorphyromonas gingivalisの生育試験とpH7.0-3.5における歯エナメル質の脱灰を抑制するために必要なCa^<2+>濃度を調べた.その結果,Ca^<2+>で歯エナメル質の脱灰を抑制しながら酸で歯周病原因菌を静菌することが可能な領域が存在することが明らかになった.カルシウムと有機酸を配合した食品により,歯エナメル質を脱灰することなくVSCの産生を抑制できる可能性を見出した.
2012-07-30