小規模障害者施設における心身障害者のう蝕および歯周病の罹患状況に関する調査

概要

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本研究の目的は,心身障害者のう蝕および歯周病の実態を把握し障害の種類別の特徴を分析することである.旧新潟市の小規模障害者施設24施設227名を対象とした.対象者の平均年齢は34.7歳,標準偏差(±)2.3歳である.年齢別でみると20歳代が全体の55.1%を占め,障害の種類別では知的障害が全体の62.6%を占めていた.まず,各年齢群に分け,う蝕状況を一人平均DMF歯数にて評価した.新潟県平均と比較し,心身障害者の全年齢の平均ではDMF歯数に著しい差はないが,未処置歯数が多くCPI最高コードも高いことが明らかになった.次に,対象数の多い20歳代125名を知的障害の有無(知的(+),知的(-))により,う蝕および歯周病の状況を評価した.一人平均DMF歯数では,知的(+):6.31±6.13本,知的(-):3.05±3.81本,未処置歯数は知的(+):1.23±2.89本,知的(-):0.09±0.29本であった.いずれにおいても,その差は統計学的に有意であった(DMF歯数:p=0.01,未処置歯数:p=0.01).また,介助の有無(介助(+),介助(-))により比較した.未処置歯数では介助(+):0.23±0.75本,および介助(-):1.20±2.88本で,その差は統計学的に有意であった(p=0.02).以上より,知的障害がある場合,介助を受けていない者で未処置歯が多いことが明らかとなった.施設利用者への歯科保健向上を支援するためにも専門的な介入が必要と考える.
有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
2010-04-30

小規模障害者施設における心身障害者のう蝕および歯周病の罹患状況に関する調査

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