行政組織の経営的改革への職員評価 : 静岡県職員への調査結果から

概要

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1980年代以降、 NPMと言われる行政の経営改革が世界的に進んできた。静岡県においても90年代半ば以降、こうした改革が具体的な形で進められてきている。だがこのような改革が、それを担う職員の経営的思考や行動様式、いわゆる経営マインドと呼びうるようなものを浸透させているか、そして職員による改革への評価に関しての検証は今のところ、ほとんど行われてきていないといえる。そこで本研究においては、こうした変化を把握するために静岡県の職員を対象として調査を行った。本稿は、職員による改革への評価に関する分析結果である。職員による改革の評価については、所属する組織が次の5つの項目,すなわち「所属組織の使命・目的の把握」「組織の資源の充実」「人材育成システムの整備」「環境変化への対応」「組織改革・改善への取り組み」においてどの程度機能しているかを訊いた。調査結果として、多くの項目において、職位 (経営者層、管理者層、執務者層) による差が見られた。とくに「組織の使命・目標の明確な把握」、「組織改革・改善への取り組み」の項目においてその傾向が見られた。また全項目を通じて、職位が高くなるほど、組織の機能状況への評価は高くなる傾向が見られた。こうした職位間における差異は、経営マインドの浸透度の差異が職位間によって存在していることを意味し、組織全体の改革における大きな障害となっている可能性が高いことを示している。

行政組織の経営的改革への職員評価 : 静岡県職員への調査結果から

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