13・18トリソミー新生児外科疾患に対する管理と問題点

概要

論文の詳細を見る
新生児外科疾患を合併した13・18トリソミー症例への外科的介入は、合併奇形や社会的背景を踏まえた個々対応が必要である。長崎県内NICU併設病院での症例について検討、今後の方針についての考察を行った。対象は2000年4月〜2010年12月までの期間で、新生児外科疾患を合併した9例。1例は侵襲的治療をしない方針で出生同日死亡、8例に手術施行。臍帯ヘルニア根治術3例、気管切開3例、横隔膜ヘルニア根治術2例、食道閉鎖胃瘻banding 2例、人工肛門造設3例、その他3例でpolysurgery施行例は4例であった。手術合併症はなく、周術期の状態は安定。術後呼吸器離脱4例、退院2例。全例とも死因は呼吸不全/心不全であった。家族の希望に従い在宅管理を目標に手術施行、食道閉鎖は姑息的術式を選択、横隔膜ヘルニアには1ヵ月生存例に根治術を行った。手術によって生命予後が改善した可能性はあるが、polysurgery後に退院できない症例も経験し、在宅管理が可能かどうかの厳密な判断が重要と思われた。
2012-03-25