腹腔鏡補助下に切除した空腸粘膜下動脈瘤破裂の1例
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概要
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空腸粘膜下の動脈瘤破裂により大量消化管出血をきたした小児例に対して腹腔鏡補助下に切除した症例を経験した.症例は14歳の女児.大量出血のため当院に入院し内視鏡検査, シンチグラフィーを受けたが明らかな異常を認めず一旦退院となった.再度大量出血を認めたため小腸由来と考え腹腔鏡手術を施行した.空腸上部に病変を確認後, 臍部より空腸を引き出し切除術を行った.出血源はトライツ靱帯より50 cm肛門側に存在し, 径8 mmの弾性硬の腫瘤であった.病理組織学的検査で空腸粘膜下の動脈瘤破裂と診断された.小腸粘膜下の動脈瘤破裂の報告は稀であり, 15歳以下の小児例は自験例を含め5例の報告が見られるにすぎない.腹腔鏡を用いて診断・切除された報告は自験例が最初であった.出血源不明の小児消化管出血に対して, 腹腔鏡は診断のみならず治療手段としても有用である.
- 2005-02-20
著者
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大畠 雅之
長崎大学腫瘍外科小児外科
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永安 武
長崎大学腫瘍外科小児外科
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田中 朋子
兵庫県立こども病院外科
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永安 武
長崎大 腫瘍外科
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永安 武
長崎大学腫瘍外科
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大畠 雅之
長崎大学腫瘍外科
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田中 朋子
長崎大学腫瘍外科学
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