術後脳静脈性合併症の予防と対処(手術合併症を防ぐために,II 手術訓練としての外科解剖実習-第23回微小脳神経外科解剖セミナーより-,微小脳神経外科解剖)
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概要
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【目的】脳静脈は多くの側副血行路を有しており臨床的に問題となることは少ないが,損傷された静脈が一定の領域の静脈還流に重要な血管であったり,長時間にわたる脳圧排が加わった場合や急性期の手術など,さまざまな要因が重なりあい,重篤な合併症を起こしうる.本稿では,脳神経外科領域において術後脳静脈梗塞の特徴を検討し,脳静脈性合併症をいかに回避するかについて述べる.【対象】術後静脈梗塞を起こした自験例は8症例(0.3%),男性3例,女性5例(平均58.1歳)である.二次性静脈血栓の進展により緩徐に症状が発現してくる群(n=5)と急激に脳静脈還流障害を起こしてくる群(n=3)の2群に分類できた.症状の発現が早いものほど重篤な症状がみられた.予後は良好が6例,軽度障害を残したものが2例であった.脳静脈に関しては,実際どれだけ障害すると臨床的に問題になるのかは十分わかっておらず,確実な治療法も確立されていない.この状況下で術後脳静脈梗塞を少なくするためには,(1)術前に静脈解剖を考慮し,重要な静脈を避けた手術アプローチの選択,(2)静脈を損傷しない手術法の工夫,(3)安全な脳静脈切断,(4)脳静脈損傷時の対処や術後管理など,できるかぎり静脈を温存し合併症を早期に予測し予防する努力が必要である.
- 2011-10-20
著者
-
中瀬 裕之
奈良県立医科大学脳神経外科
-
田村 健太郎
奈良県立医科大学脳神経外科
-
本山 靖
奈良県立医科大学脳神経外科
-
朴 永銖
奈良県立医科大学脳神経外科
-
平林 秀裕
奈良県立医科大学脳神経外科
-
竹島 靖浩
奈良県立医科大学医学部脳神経外科
-
朴 永銖
国立大阪南病院脳神経外科
-
中川 一郎
奈良県立医科大学脳神経外科
-
三宅 仁
奈良県立医科大学脳神経外科
-
堀内 薫
奈良県立医科大学脳神経外科
-
平林 秀裕
奈良県立医科大学 医学部放射腺腫瘍医学講座
-
本山 靖
奈良県立医科大学 脳神経外科
-
朴 永銖
奈良県立医科大学 脳神経外科
-
中瀬 裕之
奈良県立医科大学 脳神経外科
-
田村 健太郎
奈良県立医科大学 脳神経外科
-
竹島 靖浩
奈良県立医科大学 脳神経外科
-
中川 一郎
奈良県立医科大学 脳神経外科
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