コレクター集材による間伐作業の生産性・経済性と残存木損傷
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概要
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エンドレスタイラー方式の荷掛滑車の移動範囲を追加の滑車で規制する,間伐に適した索張り方式とされるコレクター集材の事例を調査した。対象地はヒノキ43年生林分2.25ha(材積間伐率33%)で,支間長は500m,造材にはプロセッサが用いられた。伐出作業の生産性は3.2m^3/人日(日実働時間6.5時間),経済性では伐出経費9.3千円/m^3に対し架設撤去7.9千円/m^3とその負担が大きいが,隣接地3.75haも含めると架設撤去費は3.1千円/m^3となる。素材(10.0千円/m^3)と残材(2.2千円/m^3)の収入に間伐補助金を加えて所有者還元が可能となっている。試算により経費節減にはオートフック等による荷外しの作業時間短縮が有効で,さらに集材機の改良等により例えば1千万円程度の投資で搬送時間が25%短縮されれば経費は1〜2割削減できると考えられた。残存木の本数被害率は7.8%で,主に車両系による他の事例(約20%)より有意に低かった。ただし木寄せ時に材の暴れ等のため程度の大きな損傷も数例発生していた。
- 2011-07-31
著者
-
鈴木 保志
高知大学教育研究部自然科学系農学部門
-
後藤 純一
高知大学教育研究部自然科学系農学部門
-
鈴木 保志
(独)高知大学農学部
-
山崎 敏彦
高知県森林技術センター
-
山崎 敏彦
高知県立森林技術センター
-
杉本 純佑
高知大学大学院総合人間自然科学研究科農学専攻
-
山口 達也
高知県嶺北林業振興事務所
-
中屋 貴
高知県林業振興・環境部
-
戸田 篤
高知県林業振興・環境部
-
鈴木 保志
高知大
-
鈴木 保志
高知大学
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