フィードバックが存在する一般の多重アクセス通信路における通信路容量域

概要

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近年、携帯電話やP2P等の多対多通信システムが広く用いられるようになり、多端子情報理論の重要性が増している。多端子情報理論における基本的なモデルの一つに多重アクセス通信路がある。多重アクセス通信路においては、通信路の出力を入力へフィードバックすることで通信路容量域が広がる場合があることが知られている。但し、通信路容量域とは、任意に小さい誤り率で復号可能であるために符号の符号化率が満足すべき領域のことである。また、いくつかの多重アクセス通信路に対しては、フィードバックが存在する場合の通信路容量域が示されている。しかしながら、エルゴード性や定常性を必ずしも満たさないような一般の多重アクセス通信路において、フィードバックが存在する場合の通信路容量域は明らかにされていない。本稿では、一般の多重アクセス通信路において、フィードバックが存在する場合の通信路容量域が、HanとVerduが導入した情報スペクトル的表現と、MarkoとMasseyが導入したdirected informationを用いて表せることを明かにする。
2011-01-11