MIMO通信における通信路とLDPC符号語の非線形最適化による同時推定(一般:情報通信基礎サブソサイエティ合同研究会)

概要

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従来の無線通信の受信機の復号法では,トレーニング系列などから推定した通信路状態情報が誤差がないと仮定して復号を行っていた.しかし,このような手法は通信路状態情報の誤差の存在を考慮した最尤復号法と比べて復号誤り率が大きくなってしまう.一方,和田山は線形ベクトル通信路におけるLDPC符号の復号問題を凸最適化問題として効率よく解くアルゴリズムを提案した.本研究では,和田山法にならい,MIMO通信において符号語と通信路状態情報の同時最尤復号法についてもとの同時最尤復号問題を連続最適化に置き換え,内点法を適用する方法の提案をする.また,近似同時最尤復号法のアルゴリズムとしてILSEアルゴリズムが提案されている.このアルゴリズムでは,通信路行列を固定した場合の信号の最尤復号法と信号を固定した場合の通信路行列の最小二乗法を繰り返す.本研究では,ILSEアルゴリズムと提案手法を組み合わせて適用する方法も提案する.シミュレーションによって,これらの提案した手法が従来法に比べて多くの場合で計算量が少なく,かつ,誤り率が改善されていることを示す.
2010-02-25