単一試行に対するEEGを用いた2値化された隠し絵の知覚状態推定(生体工学)
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概要
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本研究は単一試行に対する脳波(EEG)からある事物が隠れている2値化画像(隠し絵)を見たときの知覚状態を推定することを目的とする.6名の被験者に対してある事物を含む2値化画像とそのカラー画像を,2値化画像→カラー画像→2値化画像の順で呈示し,その2値化画像が呈示されているときにボタン押しによってその画像内の事物を認識できたかを判断させた.その間,19チャネルの電極でEEGを測定した.そのEEGをウェーブレット解析し,振幅情報と位相情報の特徴量を計算した.これらの特徴量を使い,認識性能の優れた学習モデルの一つであるサポートベクターマシン(SVM)を用いて認知状態の推定を行ったところ,入力としてbeta帯のPowerを用いたときに,最も良い判別率が得られた.更に,判別に用いたSVMの変換行列から時間的,空間的な分布を解析した結果,はじめに頭頂部,頭頂側頭のalpha帯で記憶との連想処理が行われ,その後前頭のbeta帯で記憶の呼出しや記憶との対比処理が行われ,最後に右後頭側頭のgamma帯で認識処理が行われるという時系列処理が行われていることが示唆された.
- 2011-07-01
著者
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