広ダイナミックレンジシーンのWYSIWYG的再現 : 多重解像度表現による輝度補正画像の統合(バイオサイバネティックス,ニューロコンピューティング)

概要

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最近,ますます高性能化が進むディジタルカメラとはいえ,撮影時に我々が知覚したシーンと再現画像の違いは歴然としている.この原因の一つはダイナミックレンジにあり,撮影シーンのそれが広い場合,CCD出力の飽和等によって情報が欠落してしまうことによる.しかしながら,多重露光や広ダイナミックレンジセンサ等を用いてすべての諧調情報を取得できたとしても,CRT等の再現範囲に画素値を圧縮して生成した画像は撮影時の知覚と異なってしまう場合が多い.本論文はこうした問題を解決し,特に,広ダイナミックレンジシーンのWYSIWYG(What You See Is What You Get)的再現を目的とする.まず,カメラの撮影パラメータを変化させ撮影した多重露光画像群から,広ダイナミックレンジ情報を再構成する.更に,シーンのダイナミックレンジに依存した明るさ知覚を心理物理実験によって計測し,この結果に基づいて輝度補正を行う.最後に,これら輝度補正した複数画像を多重解像度表現に基づいて統合することで我々の知覚に近い再現画像が得られることを示す.
2004-05-01