LogTMにおける適切な競合レベル選択による効率的ロールバック

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概要

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マルチコア環境における並列プログラミングでは,一般的にロックを用いてメモリアクセスの調停がとられている.しかしロックを使用する場合では,デッドロックの発生や並列性の低下などの問題がある.そこでロックを用いない並行性制御機構として LogTM が提案されている.LogTM ではプログラマがトランザクションの範囲を定義する必要があり,また,部分ロールバックを行うにはプログラムの特徴を理解した上でトランザクションをネストさせなければならない.そこで本稿ではトランザクションがネスト構造でなくても部分ロールバック可能にする手法を提案する.また,部分ロールバックをより有効にするため,最低限解決しなければならない競合のみを解消する位置へロールバックする改良を提案する.提案手法の有効性を検証するためにシミュレーションによる評価を行った結果,既存の部分ロールバック手法に比べて前者で最大 18.5%,後者で最大 16.7% のトランザクション内実行サイクル数を削減した.
2011-07-20

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