東京湾に存在する太平洋起源のリン・窒素(シンポジウム:沿岸海域に存在する外洋起源のリン・窒素)
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概要
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東京湾は,流水域人口が極めて多いため,陸域からの窒素・リンの流入負荷が著しく多い.このため,湾内に存在する窒素・リンの多くの部分は陸域起源である.経年的に見ると,発生源負荷は削減され,その効果は流入負荷の減少に現れているが,湾内のDINとPO_4-P濃度はあまり減少していない.東京湾では流入水におけるN/P比が高いため,混合期には,水柱のPO_4-Pのほとんどが植物プランクトンに取り込まれる.その一部は沈降し,分解されて出来たPO_4-Pは海底堆積物に吸着されるのでリンは湾外に流出しにくいが,窒素は過剰でありDINとして多く存在するため,表層流により流出しやすい.底質に吸着したリンは底層が貧酸素となる成層期に溶出するが,その量は陸域からの流入負荷を上回り,この時期には,リンは植物プランクトンの増殖を制限せず,赤潮が起こりやすい.リンと窒素は,何れも湾内で循環するため流入負荷の減少の効果が現れ難いが,リンにおいてはその傾向がより顕著である.
- 日本海洋学会の論文
- 2006-02-28
著者
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