家屋害虫防除の進め方とIPM
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概要
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戦後に開発された有機合成殺虫剤は,効果が優れ,散布が容易なことから,生活の衛生的な向上と感染症防止に計り知れない貢献をしてきた.ところが,その連用で多くの害虫が殺虫剤抵抗性を獲得して難防除化し,天敵の方を減殺して潜在害虫を多発させる事態を招いている.また,その分解物質が深刻な環境汚染を引き起こしている.これらのことへの反省から,今後,害虫防除は極力薬剤の無駄な過剰散布をさけ,必要最小限にとどめて行うべきである.ビルの家屋害虫防除は,まず定期的,統一的に害虫の発生・生育場所や侵入経路,被害状況などを調査し,その結果に基づいて効果的な防除計画をたてることから始まる.被害を招かない範囲内に日常的に害虫を管理していく総合的害虫管理(IPM)は,従来の皆殺し的な駆除に比べれば,はるかに手間ヒマがかかり,経費も相当かさむことになるが,目指すべき有益な千法である.
- 日本家屋害虫学会の論文
- 2004-12-15
著者
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