スリランカ産コガタオオカ (新称) の人工飼育化と実験室内での生態
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概要
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Toxorhynchites minimus(コガタオオカ)の飼育に初めて成功したので, その方法と実験室内での生態および行動について紹介した.孵化から羽化までの期間は, 26℃, 14時間照明・10時間暗黒下では雌が26.8日, 雄が23.9日で雌のほうが有意に長かった.幼虫の飼育はつねに餌(ネッタイシマカ)を多量に与えた条件でも集団飼育では共食いが激しく, 4齢半ばには1匹しか残らなかった.これに反し個別飼育では68%の幼虫が成虫にまで発育した.ケージ内では自然交尾がほとんど認められなかったので人工交尾を試みたが, 従来の他のオオカの人工交尾法とは異なって雄の頭は取り去らないほうが効率がよかった.産卵は羽化後9日目から開始され52日まで続き, 3週間目に最も多かった.しかも卵からの孵化率は最後まで高く, そのほとんどが孵化した.産卵は竹の容器にのみ行われ, なかでも小穴のあいた竹によく産卵した.その穴の直径は少なくとも2mm以上で産卵可能であったが羽化成虫がその穴から脱出するには少なくとも直径3mm以上が必要であることを確認した.なお, 1989年10月に採集して以来1989年12月現在ですでに20世代を経過した.
- 日本衛生動物学会の論文
- 1989-12-28
著者
-
堀尾 政博
産業医科大学・医学部・寄生虫学熱帯医学教室
-
上村 清
丸三製薬
-
堀尾 政博
産業医大医動物学
-
堀尾 政博
産業医大
-
堀尾 政博
産業医科大学医学部寄生虫学熱帯医学教室
-
堀尾 政博
産業医科大学医動物学教室
-
塚本 増久
産業医科大学医動物学教室
-
上村 清
富山医科薬科大学・医学部・感染予防医学研究室
-
堀尾 政博
長崎大学熱帯医学研究所熱帯感染症研究センター
-
JAYASEKERA Nalini
Department of Entomology, Medical Research Institute
-
Jayasekera Nalini
Department Of Entomology Medical Research Institute
-
塚本 増久
産業医科大学
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