看護系大学における基礎看護技術修得に向けた教育に関する検討
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概要
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近年,看護実践能力の向上が重要視され,看護基礎教育における学内演習および臨地実習の充実が叫ばれている.そこで,基礎看護技術教育に焦点をあて,各大学レベルにおける学内演習の現状,および看護実践能力の育成に向けた教育の取り組み状況について明らかにし,今後の基礎看護技術演習の方向性について検討することを目的とし,研究を行った.その結果,演習における基礎看護技術項目の構成では,【環境調整】,【体位変換・移乗・移送】,【清潔・衣生活】,【排泄】,【ヘルスアセスメント】において,いくつかの技術項目を組み合わせて演習をしている大学が多かった.逆に「食事介助」,「バイタルサイン」,「罨法」,「無菌操作」,「包帯法」,「静脈血採決」は,その技術項目だけで演習が行われていた.到達度では,"対象者の個別性やおかれた状況に合わせて技術の一部を応用し実施できる"あるいは"手順,デモンストレーションにそって実施できる"に到達目標を置いている大学が多く,これらに該当する技術項目の多くは,演習時間内に学生が1回以上その技術を体験していた.また,行政機関より出された報告書を受けて,約8割の大学が看護技術の習得に関する教育の見直しや検討を行っていた.今後は,教育を行う教員の技術実践能力,それを学生が習得するための方法を教育する能力といった教員の能力向上が今後の基礎看護技術教育にも重要であると考える.
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