急潮によって引き起こされた夏季法花津湾表層におけるミズクラゲ集群出現頻度の短周期変動
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概要
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四国西岸に位置する法花津湾において2005年から2007年の夏季にビデオモニタリングを行い,湾内表層で形成されるミズクラゲ集群出現頻度の時間変動について調べた。ミズクラゲ集群出現頻度には,8月中旬から増加し,9-10月に減少する長周期変動と,10-15日周期で増減を繰り返す短周期変動が存在した。特に,短周期変動の強弱の経年変化は,四国西岸域で生じる急潮の強弱の経年変化と一致していた。そこで,急潮とミズクラゲ集群出現頻度の短周期変動との関係を明らかにするため,2007年の夏季法花津湾において係留観測と海洋観測を行った。法花津湾へ到達した急潮は湾内に暖水流入を引き起こすとともに,湾スケールの海水交換を励起した。この暖水流入にともなって湾外の既存水塊中にいたミズクラゲが湾内へ輸送され,湾内表層で受動的に集群することによって,夏季法花津湾表層ではミズクラゲ集群出現頻度が10-15日周期で変動していると考えられる。
- 2010-01-05
著者
-
武岡 英隆
愛媛大学沿岸環境科学研究センター 海洋動態解析分野
-
高橋 大介
名古屋大学地球水循環研究センター
-
南條 悠太
太陽石油株式会社四国事業所
-
大山 淳一
東亜建設工業名古屋支店
-
藤井 直紀
愛媛大学沿岸環境科学研究センター
-
福森 香代子
京都大学生態学研究センター
-
武岡 英隆
愛媛大学沿岸環境科学研究センター
-
武岡 英隆
愛媛大学
-
武岡 英隆
愛媛大CMES
-
藤井 直紀
愛媛大CMES
-
Takeoka H
Department Of Civil And Ocean Engineering Faculty Of Engineering Ehime University
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