成人歯科健診の受診間隔と口腔保健状態との関連
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概要
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成人の口腔保健管理における適切な歯科健診受診間隔を検索する目的で,受診間隔別に口腔内状況の変化を検索した.対象者は,歯科診療所を併設する某金融機関において1993年から2006年まで14年間継続実施している歯科健診事業の受診者で,14年間に最低2回以上受診し,初回受診から最終受診までの間隔が10年以上経過している者159名を選出した.初回受診時をベースライン,14年間の健診期間中で最近年に受診した時を最終受診時とし,ベースラインから最終受診時までの平均受診間隔が1年の者を受診間隔1年群,1.1年〜2.0年を2年以内群,2.1年〜3.0年を3年以内群,3.1年〜5.0年を5年以内群,5.1年以上の者を5年以上群の5群に受診間隔を分類した.ベースラインと最終受診時の口腔保健状態の変化は,CPIコード最高値,CPI各コードのセクスタント数,健全歯数,D歯数,M歯数,F歯数を指標として,受診間隔別に比較検討した.その結果,受診間隔が2年以内の者では歯周組織の状態が有意に改善されていた.とくに受診間隔1年群の改善傾向が顕著で,歯周健全者(CPIコード最高値0)が約20%増加し,4mm以上の歯周ポケットを有する者(コード最高値3以上)が約10%減少していた.しかし,受診間隔が2年を超えると改善傾向は顕著ではなくなり,5年以上群では歯周組織の状態は悪化していた.さらに,CPI各コードのセクスタント分布では,受診間隔が5年以内の者はコード0のセクスタント数が有意に増加していたが,5年以上間隔をあけて受診した者では改善は認められなかった.歯に関しては,受診間隔と一人平均DMF歯数との間には関連は認められなかった.しかし,健診期間中の喪失歯の増加について検索した結果,受診間隔が3年以上の者では,3年未満の者に比べ喪失歯増加者が多い傾向が認められた.以上の結果より,成人期では歯科健診を少なくとも2年に1回,より効果を得るためには毎年,定期的に受診することが,歯周組織の健康保持,増進にとって重要であることがわかった.
- 2009-06-25
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