インドネシア・東部ジャワ島のソンデ貝化石群の地質年代(西太平洋地域の生物多様性インベントリー第2期:インドネシア及びマレーシア)

概要

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インドネシア東部ジャワ島ソンデ地域のソロ川に露出するカリベン層のクリティク部層は貝化石を豊富に産出し,インドネシアの新第三紀貝化石層序の一つであるソンデ階の準模式地で,その時代は漠然と鮮新世後期とされている.本研究では,ソンデ地域の古典的な4ヶ所の貝化石産地の一つであるソンデ西方2kmに位置するバングンのクリティク部層の地質調査を行い,貝化石と浮遊性有孔虫を解析し,ソンデ貝化石群の生息環境とその時代の詳細を検討した.その結果,バングンのクリティク部層の貝化石群は総計150種を超え,現生種に同定される種の現在の深度分布から,外海水の影響を強く受ける潮間帯下部から上部浅海帯の群集であることが明らかとなった.また,同部層からは豊富な浮遊性有孔虫が産出し,その解析から,クリティク部層の貝化石群は3.95Maから3.58Maの間の時代,すなわち前期鮮新世最後期あるいは後期鮮新世最初期のものであることが明らかとなった.本研究の結果は,熱帯西太平洋の新生代貝化石群の進化を明らかにするための重要な新知見である.