知能メカトロニクスへの接近 : 個人用知的移動体を例として

概要

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知能メカトロニクスは、メカトロニクスつまり電子制御による機械系を知能化する技術およびその研究領域である。いわゆる知能ロボティクスと異なり、自律的な知能を作るというより、人間を中心に置き、その環境を物理的にも情報的にも強化・拡張することを目的とする。筆者らは、知能メカトロニクスの具体例として、個人用知的移動体を研究開発している。個人用知的移動体は、搭乗者である人間の身体(主に、移動能力)と知能(主に、認識・記憶能力)を拡張するシステムである。これによって、物理的にも情報的にもバリアフリーな社会を築くことができるだろう。本稿では、個人用知的移動体のプロトタイプとして開発されたAT(Attentive Townvehicle)を紹介する。ATは、環境からの情報を取得して位置を認識し、人間を任意の目的地に自動的に移動させることができる。このとき、自らのセンサーや他の移動体との通信を利用して、人間や他の移動体との衝突を避け、安全で効率的に走行する。また、人間が目的地で行った行動を自動的に記録し、体験コンテンツの制作を支援する。さらに、その体験を他の人間と共有し、追体験を支援することもできる。
2009-03-13