近世期日日向延岡藩の飛地支配と地域社会 -宮崎郡村々の組織と支配-
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概要
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現在の宮崎市域の大半は、近世期初期には有馬延岡藩飛地であった。しかし有馬氏のあと三浦・牧野・内藤という領主交代に伴い幕領に編入されたり、再度延岡領になるなど支配変遷が著しかった。延享四年の内藤氏入封以降は延岡領となり維新を迎える。飛地宮崎郡の支配は、下北方村に宮崎役所が置かれ、城下から宮崎代官と勘定人が派遣された。役所では在地から採用された手代・郷組・郷足軽などが実務を取り仕切った。手代や郷組については明らかでない部分が多いが、郡内の普請・溝掘り・祭礼時の警護などに出役するなど、治安維持に当たっていたと思われる。村方支配では、藩は宮崎郡村々二一カ村を四組に分け、組には大庄屋、村には庄屋・年寄を置いた。幕領期と異なり、私領では大庄屋は不可欠な存在であった。庄屋は村内において入札が行われて選出された。必ずしも世襲ではなく、嫡男以外が選出されることもあった。庄屋の条件として、農業経営のほか人柄や筆算能力などが厳しく問われ、役柄を勤め得る人物かがチェックされた。また親類に大庄屋や他村庄屋など、役儀の後見が期待できる存在がいるかも要因の一つであった。
- 2009-03-06
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