内藤延岡藩領の特質とその支配 : 木村礎「延岡藩領とその支配」の再検討
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概要
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延享四年に奥州磐城平から日向延岡へ転封となった内藤氏の新領地延岡領について、かつて木村礎氏は「延岡領は、ひどいの一語に尽きるような様相を持つ。磐城平より延岡領に入った内藤氏の地方役人たちは、その生産力の低さ面積の広さ、山の嶮しさ、所領相互間の速さなどに唖然とし、おそらくは不安感すら持ったのではないか」とその劣悪さを強調した。はたして延岡領は「ひどいの一語に尽きる」のか。木村氏が拠った史料を再検討し、磐城領と延岡領を比較した史料は、藩が家中に対して知行扶持の削減を強行する際の常套句であったことを指摘した。また、木村氏が郡単位で明らかにした地域的特質を、郡・村単位で検討し直し、より詳細な藩領の特質を明らかにした。さらに、領内への調達金賦課について藩は低生産地である高千穂郷を城附とは別個に扱い、城附や豊後領並に賦課しているが、これは年貢として把握できない部分を調達金という形で収奪しようとするものであり、山村にはその余剰があったことを明らかにした。米作中心史観への警鐘にもなったと考える。
- 2006-03-20
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