英語学習に関する基礎的調査 : 学習動機と学習方法(産業社会学部)
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概要
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佐藤・中川・山名(2007)は大学生レベルにある英語学習者の躓きが,遡って英語学習のかなり初期の段階で生じていることを明らかにした。本稿は学習の躓きが「学習動機」や「学習方法」とどのように関連しているかを探るために,グループA(未達成群)とグループB(達成群)について,市川(2001)を引用し作成した質問紙を用い,各グループにおける回答の傾向分析および両グループを比較し述べた論考である。その結果学習動機については「充実志向」「自尊志向」において,学習方法については「失敗に対する柔軟性」「意味理解志向」において特に顕著な有意差が見られ,両グループ協力者間の学習観に相当の違いがあることが分かった。グループBの協力者が学習をよりダイナミックな視点で捉え,単なる知識の習得にとどまらず,習得プロセス自体に楽しみ(=動機)を見出しつつ学習を継続させ,種々の成功体験に基づいた自信を蓄積してきたことに対し,グループAでは,基本的な学習内容の未習熟に加え,学習ストラテジーそのものの習得や修正がなされておらず,その結果英語に特化しない「学習全般」に対する意欲の低下が指摘された。できないことへの焦りを感じてはいるものの,具体的にどう学習に取り組むべきかが分からず苦悩している状況も予見される。(1)リメディアル教育・FYE(初年度教育)の充実によりスタディ・スキルを身につけさせ,一刻も早く基本的な学習態度を確立させること。(2)指導に当たる教員自身が,常日頃からその指導法や評価法の向上に努めること。この2点が不可欠となる。
- つくば国際大学の論文
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