OPIにおける英語話者の「の」の使用と習得
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概要
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準体助詞「の」は、名詞の代用語、前接する用言の名詞化といった機能の他に、文末の「のだ」の形でムードを表したり、また「のだが」のような接続表現としての用法もあり、その習得は、日本語で正しく意思を伝えるために欠かせないものである。本研究は英語話者のOPIデータを用い、準体助詞「の」の使用状況と習得について調査したものである。調査の結果、中級-中上段階までで、代用語、名詞化用法、「のだ」の説明の用法がまず使用されるようになり、上級になると「のだが」「というの」のような直接的でない言い回しを用いることで、より自然な日本語を使用するようになり、さらに超級では「のではないか」、「というのか」や、「のだ」「のか」の説明用法以外の用法を広く使用し、間接的表現、自問の表現も含め、用法の使用範囲が更に広がるということがわかった。本研究から示唆された「の」の各用法の大枠での習得段階は、第一段階が名詞化用法、「のだ」(説明告白、説明教示)、代用語、第二段階が「のか」(説明求め)、「のだが」(前置き、終助詞、逆接)、「というの」(一般化)、第三段階が「のではないか」(推測、主張)、「というのか」(自問)「のだ」(強調、確認)、「のか」(スコープ、確認)、「のだから」(理由)、「というの」(意味・定義)、第四段階が「のだ」(感嘆、非難)、「のか」(非難)、「の」(終助詞説明告白)であった。
- 国際基督教大学の論文
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