徳田秋声作品に見るオノマトペ : 『足迹』『黴』を中心に
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概要
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徳田秋声の『足迹』『黴』に見られるオノマトペの特徴について、『新世帯』、島崎藤村の『家(上)』、田山花袋の『生』と比較しながら考察した。各作品からオノマトペを抽出し、1)心情を表すオノマトペ、2)笑いを表すオノマトペ、3)「見る」行為を表すオノマトペ、4)「湿度」に関わるオノマトペ、5)その他の特徴的なオノマトペという五つの観点から検討を加えた。特徴的なオノマトペに関しては、二作品に多用されていた静寂を表すオノマトペ、偶発的動作を表すオノマトペ、所在なく歩く行為を表すオノマトペ、女性主人公に使われた独特なオノマトペを取り上げた。『足迹』『黴』は、女性主人公の描写や作品の情景描写において、オノマトペにも共通性が見られた。また、『新世帯』も含めて、秋声が人物描写においても情景描写においても、オノマトペを多用して巧みに表現していることが見て取れた。It was examined with comparing it with ‘Arajyotai’, Shimazaki Toson’s ‘Ie( the first half)' and Tayama Katai’s ‘Sei' about the characteristics of the onomatopoeia seen in ‘Asiato’ and ‘Kabi’ of Tokuda syusei. Onomatopoeia was extracted from each novel, and an examination was added from the following five viewpoints. 1)the expressin of feeling, 2)laugh, 3)“act to see and look”, 4)“humidity", 5)others. Other onomatopoeia was examined from the next four points.Those are the onomatopoeia which shows stillness, the onomatopoeia of seeing by chance, the onomatopoeia of aimless walking and heroine’s unique onomatopoeia. Onomatopoeia had commonness about the heroine’s description and the scene description in ‘Asiato' and ‘Kabi'. Investigating three novels of ‘Asiato’, ‘Kabi' and ‘Arajyotai’, it was found that Syusei used onomatopoeia skillfully in description of a character and scene description.
- 2009-02-28
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