笑いを描写するオノマトペの変遷 : 中古から近代にかけて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
「笑い」の表現には(1)笑い声,(2)笑うときの表情・笑い方,(3)笑うときの姿態,の描写がある。(1)と(2)に関して,中古から近代までのオノマトペの変遷を見てみると,笑い声を表す擬音語も表情・笑い方を表す擬態語も,近世にはすでに現代使われているオノマトペの典型的なものが確立していたことがわかった。笑い声を表す<模写に近いオノマトペ>は近代以後現代に至るまで個性的なオノマトペの工夫が見られるが,笑い声を表す<象徴度の高いオノマトペ.と,笑いの表情・笑い方に関しては,近代になって新たに工夫されたオノマトペはほとんど見られなかった。近代,特に明治期には,笑う表情と笑いの内容に関してオノマトペ以外で描写した表現がさまざま見られるが,これは明治期に正確で細密な描写が目指されたことと関連があり,笑いに関するオノマトペが新たに工夫されなかったことの要因の一つであると考えられる。The expression of "the laugh" is greatly divided into three with laughter and an expression to laugh and a figure to laugh at it. Even modern ages were investigated about the onomatopoeia which showed laughter and an expression to laugh from the Heian period. As for the mimesis which showed the onomatopoeia which shows laughter, and an expression, it found that the typical thing of the onomatopoeia which the present day has already been spent on was established in the modern times. Until it reaches the present day after the modern ages, the idea of the unique onomatopoeia is seen with the onomatopoeia which is close to the copy to describe laughter.
- 2007-02-28
著者
関連論文
- 大蔵流狂言台本における擬音語・擬態語の特徴 : 虎明本と山本東本との比較から
- 徳田秋声作品に見るオノマトペ : 『足迹』『黴』を中心に
- 近世演劇のオノマトペ : 浄瑠璃と歌舞伎の脚本を対象に
- 尾崎紅葉の言文一致文 : 「多情多恨」を中心に
- 教科書教材に見るオノマトペ : 特徴の整理とそれを踏まえた読解指導との関連を目指して
- 擬音語・擬態語の名称変遷について
- 笑いを描写するオノマトペの変遷 : 中古から近代にかけて
- オノマトペに見る漢語の影響 : 和語系オノマトペと漢語系オノマトペの関わり
- 静寂・沈黙を表すオノマトペ : 和語系・漢語系オノマトペの関わりから
- オノマトペの意味縮小 : 「わくわく」を例に
- 「泣く」「涙」を描写するオノマトペの変遷 : 中古から近代にかけて
- オノマトペの多義性と意味変化 : 近世・近代の「まじまじ」を例に
- 明治後期の和語系・漢語系オノマトペ
- 明治前期の和語系・漢語系オノマトペについて : 『浮雲』を中心に
- 狂言台本山本東本に見るオノマトペ : 浄瑠璃・歌舞伎脚本との比較とともに
- 延慶本 『平家物語』 に見られるオノマトペ
- 平家物語の擬音語・擬態語 : 延慶本,覚一本,百二十句本の比較から
- 明治期の即時的表現の分類と使用状況 : 江戸期との比較を通して