擬音語・擬態語の名称変遷について
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概要
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「擬音語」「擬態語」は日本語に特徴的な語群として古くから研究が進められてきたが,その名称については,総称・名称ともに明治期以降多くの研究者によって様々に工夫され,提唱されてきた。現在は名称として「擬音語」「擬態語」が一般的であるが,「擬音語」が広まる以前は「擬声語」が多く使われていた経緯があり,「擬態語」は「擬容語」という名称も提唱されたことがある。「擬声語」は総称としても使われていたが,現在では総称として「オノマトペ」という名称が定着しつつある。本稿では,明治期以降に提唱された擬音語・擬態語の名称を総称と各称とに分けて整理し,名称の変遷の様相を辿った。その上で,現在一般的に使用されている名称の妥当性について考えた。As for "Giongo" and "Gitaigo", it has been proceeding with the research as a word group which is characteristic of Japanese since the old days. The various names of this word group were devised by many researchers after Meiji term, and it was proposed. "Giongo" "Gitaigo" is general as each name at present. "Giseigo" was being used before "Giongo" "Gitaigo" spread out. Though a generic name was taken, "Giseigo" was being used. But, the name of "the onomatopoeia" is taking root as a generic name at present. The name of the onomatopoeia proposed after Meiji term was divided into each name with the generic name, and put in order, and it followed the aspect of the change in the name in this paper. Then, it thought about the validity of the name generally being used at present.
- 2008-02-28
著者
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