パプアニューギニアのマヌス海盆の熱水噴出孔周辺に生息するシンカイヒバリガイ属の1新種
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Bathymodiolus manusensis n. sp.マヌスシンカイヒバリガイ(新種) 殻は大型でやや厚く硬質であり,膨らみは中庸で,殻頂は殻の前縁から11〜18%後方に位置する。殻の前縁はやや狭いが丸く,背緑は僅かに膨らみ,後背隅は幾分角張る。腹縁はやや窪み,後腹縁は丸い。そして,殻高/殻長比は0.40〜0.55とやや細長い。靭帯は後位,強く,殻頂から後背隅までの約70%で,後部は截断状。筋痕は明瞭。前閉殻筋痕は卵形で殻頂の前に位置する。後閉殻筋痕は丸みを帯びた不等辺四角形,後足糸牽引筋後束筋痕と繋がり一つの筋痕を形成する。前牽引筋痕は殻頂腔の前端で側面から観察可能。後足糸牽引筋痕は長円形で高位,靭帯長の前から約65%。套痕は明瞭,中央部が僅かに窪む。外套膜の背側は薄いが,腹縁は厚く強い。外套内襞(inner mantle fold)は閉殻筋前縁から後縁までの腹側に沿って分離し,その中央部から後縁が襞状。櫛鰓は厚いが殻長の約70%の長さでやや小さめ。唇弁は非常に小さい。足は小さく平らで,殻長50mm以上の個体の足長/殻長比は0.22から0.30,殻長50mm未満の個体は0.30から0.38。前牽引筋は細長く,収足筋はやや太い。後足糸牽引筋は二分し,前束は太く短いが,後束は細く長い。水管弁膜は短く,狭く,薄く,乳頭状突起はない。消化管は心耳の前方で,背中側から見て反時計回りの小さいループを形成する。分布:パプアニューギニアのマヌス海盆の熱水噴出孔周辺の水深1627〜1900mのみから知られる。
- 2007-07-31
著者
-
橋本 惇
Faculty of Fisheries, Nagasaki University
-
橋本 惇
Faculty Of Fisheries Nagasaki University
-
古田 真紀子
Faculty of Fisheries, Nagasaki University
-
古田 真紀子
Faculty Of Fisheries Nagasaki University
関連論文
- Q. 「海洋生物の医薬資源開-医薬を指向した海洋生物の探索と調査・開発」
- D. 「海洋生物の医薬資源開発, 医薬を指向した海洋生物の探索と調査・開発」
- パプアニューギニアのマヌス海盆の熱水噴出孔周辺に生息するシンカイヒバリガイ属の1新種
- インド洋中央部の熱水噴出域から採集された腹足類の新種
- 太平洋西部・インド洋のシンカイヒバリガイ類の分子系統と分岐年代(予報)
- B-1. 研究プロジェクトタイトル"海洋生物の医薬資源開発-医薬を指向した海洋生物の有用物質の探索"
- D. 海洋生物の医薬資源開発-医薬を指向した海洋生物の有用物質の探索
- Homo scias(サイアス人)--橋本惇さん/三浦知之さん--深海生物ではなかったハオリムシ 存在を信じ,果した"再発見"
- B-1. 研究プロジェクトタイトル"海洋生物の医薬資源開発-医薬を指向した海洋生物の有用物質の探索"
- 日本周辺の深海化学合成生物群集におけるオトヒメハマグリガイ科二枚貝の新たな分布域
- 駿河湾漸深海帯産シロウリガイ類の 1 新種
- 南奄西海丘の熱水噴出域付近に産するシロウリガイ類の 1 新種
- 22. 日本周辺の熱水噴出域・冷水湧出域に分布する腹足類(平成 4 年度大会(神戸)研究発表要旨)
- F. 海洋生物の医薬資源開発 : 医薬を指向した海洋生物の有用物質の探索
- B. 「海洋生物の医薬資源開発-医薬を指向した海洋生物の有用物質の探索」
- 343 北フィジー海盆中軸部における精密海底調査について
- 12. Vestimentiferaわが国に産す(予報)(動物分類学会第22回大会記事)
- 相模湾において化学合成生物群集を形成する二枚貝の成分による糖加水分解反応阻害
- 深海生物の複合脂質についての研究(第一報) : ヘイトウシンカイヒバリガイの複合脂質についての研究
- ミトコンドリアDNA塩基配列に基づくインド洋産アルピンガイ類の系統学的位置
- 鹿児島湾の海底噴気孔付近から採集されたキヌタレガイ類の1新種
- 釜石沖海底谷の微細地形・地質について : 深海曳航体及びしんかい2000による精査より : 海洋地質
- 小笠原海形海山の温水湧出域に生息するオオマユイガイ属(新称)の1新種
- インド洋の熱水噴出孔生物群集に生息するシンカイヒバリガイ属の 1 新種
- 29. 北フィジー海盆から得られたエゾバイ科及びクダマキガイ科の新種(平成 5 年度大会(千葉)研究発表要旨)
- 小笠原近海の熱水噴出孔付近から採集されたアマオブネガイ超科の笠型貝類の 1 新種
- (2) 小笠原西方の海形海山から発見された笠型腹足類の 1 新種(日本貝類学会平成元年度総会)
- 現生チューブワーム生管における元素分布とその生息環境における炭酸塩基類生成
- 駿河湾湾口付近の金州の瀬から採集されたツキガイ科二枚貝の一新種及び日本産ツキガイモドキ属現生種の整理
- 深海化学合成生態系からの有用物質抽出の研究に期待する (特集 深海底開発)
- 日本周辺における深海化学合成生物群集
- 日本周辺の深海化学合成生物群集に棲息するイガイ科の 4 新種