小笠原海形海山の温水湧出域に生息するオオマユイガイ属(新称)の1新種
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概要
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殻は厚く大型で殻長は195.6mmに達し,厚く硬質。マユイガイ型。両殻の膨らみは中庸で,最大殻幅部は殻の前縁から殻長の約60%後方。殻頂は殻の前縁から殻長の約20%後方,殻頂窩は大きく膨らみ殻長の30%以上を占める。後背隅は丸く,後腹縁は大きく丸い。大型個体の腹縁は大きく凹むが,小型個体は僅かに凹む。靱帯は後位,強靱で殻後背縁の80〜90%で後部は截断状。筋痕は明瞭。前閉殻筋痕は大きく丸みを帯びたアーチ状。前牽引筋痕は殻頂窩内になく殻頂の前方で,前閉殻筋痕と繋がり太い逆コンマ形。後閉殻筋痕は大きく楕円形,後足糸牽引筋後束筋痕と繋がり一つの筋痕を形成。套痕はやや不明瞭,ほぼ腹縁に並行。殻長の75%を超す厚く長い鰓を有する。前牽引筋は細長く,収足筋はやや細い。2束の筋肉よりなる後足糸牽引筋前束の前側筋肉は収足筋と繋がる。4束の筋肉よりなる後足糸牽引筋後束は細く,長い。後足糸牽引筋の前束と後束の間に筋束はない。水管弁膜(valvular siphonal membrane)はなく,外套内襞(inner mantle fold)は前閉殻筋腹縁で完全に分離。消化管は短く縦方向に弱いS字状を呈する。分布:小笠原父島小笠原諸島の南西に位置する海形海山の水深435mから762mに存在する温水湧出域周辺のみから知られる。
- 日本貝類学会の論文
- 2005-06-30
著者
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